賢者曰く、
言葉は道標足り得ても、
それそのものを指さすわけではない。

律氷(りっひょう)ほど、
これを現している言葉も無い。

律氷における
氷とは氷(こおり)にあらず。

氷とはすなわち
状態を指し示す言葉である。

地に種が植えられ
芽を出し、やがて大樹となる。

時と状態により
それは
ある時は種であり、
ある時は芽であり、
ある時は大樹であり、
ある時は枯れ木である。

それらは同じ存在の異なる側面を指す。

律氷における氷も
すなわち
存在の一側面を
指し示しているにすぎない。