空間が歪み、
一粒の『種』が大地に落ちた。
鈍く乾いた音が響き渡る。
見渡す限りの荒涼たる大地には、
ゴツゴツとした岩肌が、
見る者の心を削り取るように、
どこまでも広がっていた。
種が落ちたその地は、
自在者たるフディアト達に
『狩りの地』と呼ばれた。
地に落ちた種には模様があり、
それは三つ葉にも見えたし、
見ようによっては三つ目にも見えた。
種の表面は乾いていて
ざらついた質感をしており、
無数の棘が生えたような
形状をしていた。
その種は瞬く間に、
鱗に覆われた、
無数の枝蔓(えだつる)の如き
脚のような腕のような部位を
生やし始めた。
その蔓の如き、手脚の如き部位は
『鱗肢(りんし)』と呼ばれた。
フディアト達の中には
単に
化け物の腕や蔓(つる)と呼ぶ者もいた。
そしてついに化け物は、
巨大な顔の如きを生やした。
その顔の如きには、
種と同様に三つ葉のような
模様が刻まれている。
先程まで種であったそれは、
顔の如きを無数の鱗肢が支え立つ
異形の存在と化した。
つまるところ、
一粒の種から、
一定の体躯を持った
化け物が生えたのである。
それこそが、
かの化け物、
『タラトット』であった。
狩りの地には、
タラトットに対峙する
三人の男がいた。
三人とも
自在者たるフディアトであった。
そしてこの、
三人のフディアトの中に
アシュナスの姿もあった。