タマゴ王子タマール
【創造と選択の物語】
絵本タマゴ王子タマールの、
一つ目の物語は、
『創造』がテーマとなっています。
数字でいえば『0→1』。
創造に優劣というものは存在するのか、
量と質の観点から考えてみました。
『量』で考えた時には、
多ければいい、というわけではない。
反対に、少なければ良いというわけでもない。
時と場合による。
『質』で考えた時にも、ある人にとっては価値ある宝物でも、ある人にとってはガラクタになりうる。こちらも時と場合による。
『創造』には本質的な意味において
優劣や貴賤などないのかもしれません。
では創造に共通点は無いのか?
と考えてみました。
0=気持ち、意識、感情、意図。
↓
1=顕在化した創造物
この『0→1』へのプロセスが、
あらゆる創造の共通点であると思いました。
その意味においては等価値。
そして、創造とは絵を描いたり、
造形物を造ったりすることだけではなく、
ごはんを作ることや挨拶をすること、
全ての人の、全ての生命体の、
ありとあらゆる一瞬一瞬の行為は全て
創造的な行為だと思ったのです。
タマゴ王子タマールは
この本を読んで下さる全ての方の
創造性に対する敬意の現れである
とも言えるのかなと思っています。
二つ目の物語のテーマは『選択』です。
一話目が0→1の流れを表現していて、
創造がテーマとくれば、
二話目の1→2の流れにふさわしいテーマは
『選択』だなと思いました。
二話目のあらすじは、
タマゲラスという生物を食べるか食べないかというテーゼから始まり、アンチテーゼ、ジンテーゼと進み、多種多様、清濁、渾然一体となったこの世界の中から
何を“選ぶ?”というお話です。
タマゴピープルとタマゲラスの関係は、
人間と人間以外の生命体と
捉えてもよいかもしれません。
この絵本タマゴ王子タマールの
製作においても、
・コマ割りや書き文字を排した絵本的な表現・フルカラー・描き下ろし的な制作方法など、
個人的初挑戦である、
『0→1』へのチャレンジからはじまり、
どのような物語にするのか、構図にするのか、
色彩はどうするのか?表紙は?カバーは?
50音タマゴはどれにする?といった
選択の連続でした。
ある枠があったとして必ずしも収まる必要は無いし、殻を破ることも創造的にチャレンジすることも選択出来る。
この絵本を読むたびに、そんなメッセージを呼び覚まして頂ければ幸いです。